【書評・要約】越智啓太さん執筆、恋愛の科学【医学生が本気で考察】

恋愛を科学的に調べているひとがいることを知っていましたか?
この記事では、日本や海外の恋愛に関する研究をまとめた「恋愛の科学」という法政大学の越智啓太教授が、書いた本について、書評、要約しています。恋愛の成功確率を1%でもあげたいという人必見です。

恋愛を成功させたいけど、どうすればいいんだろう?

スポンサーリンク

告白を成功させる心理学

みんなはどのくらい告白し、どのくらい成功しているか

日本の大学生がどれくらい告白の経験があるか知っていますか?データによると日本の大学生で、だいたい5~7割くらいに告白の経験があります。性差はありません。なんとなく、男子大学生のほうがたくさん告白しているイメージがある人も多いかもしれませんがデータによると性差はないのです。では、実際の日本で行われた研究をみていきましょう。

2004年に北星学園大学で高校生男子36名、高校生女子42名、大学生男子77名、害学生女子44名に行われた研究によると以下のような結果となった1)

【告白経験率】

高校生男子51.42%
高校生女子48.28%
大学生男子57.89%
大学生女子59.46%

 

【告白成功率】

高校生男子52.78%
高校生女子48.78%
大学生男子64.86%
大学生女子57.14%

 

高校生のほうが告白したことがある人が1割ほどすくなく、成功確率も1割ほど低いです。これは、高校生は、大学受験を控えていて、勉強をしなければいけないことや、高校生は部活や球技大会、文化祭などに強制参加のため、大学生に比べて、自由な時間が少ないことが考えられます。
また、高校は大学より閉鎖的な空間での集団生活をしているので、失敗したときのリスクを考えたら告白することが難しいことも告白する割合が低い要因の1つであると考えられます。高校生は同じクラスの子に告白して失敗したら毎日が気まずいですよね。
これに対して、大学生は自由な時間も多く、授業への出席なども高校のときほど厳しくない、一人暮らし、など色々な制限が少ないです。これらの制限が少ないことにより、告白する人の割合や、告白が成功する確率が高いと考えられます。

確率だけ見ると、高校生でも、大学生でも2回告白すればほぼ100%付き合えるということになりますね。好きな人がいる人は、どんどんチャレンジしてみるのも一つの戦略かもしれません。ちなみに、僕は内向的すぎる性格なので、この知識をもっていても告白などできません^^;。

告白のときに使う言葉はどれが成功確率が高いのか→単純型

告白をするなら成功率をあげたいですよね?2001年に広島大学で大学生200人を対象にした研究があります。この研究では19種類の言語的告白メッセージを以下の2つの異なった状況で聞いた場合、どのような印象を抱くのかが調査されました。

①片思い状況(自分が告白され、相手のことが好きではない場合)
②両思い状況(自分が告白され、相手のことが好きだった場合)

19種類の告白のメッセージは「単純型」「懇願型」「理屈型」に分かれています。

【単純型】
「好きです。つきあってください」
「いつも、君(あなた)のことを考えています。つきあってください」
「もし、よかったらつきあってください」
「ずっと好きでした。つきあってください」

 

【懇願型】
「一生のお願いだからつきあって」
「オレ(私)は、君(あなた)がいないとだめなんだ(なの)、つきあってください」
「絶対に幸せにするから、つきあってください」
「オレ(私)じゃだめ?」

 

【理屈型】
「君(あなた)と話をするだけで、幸せになるんだ(です)。つきあってください」
「最初に会ったときから、ずっと好きでした。つきあってください」
「君(あなた)の笑ったところが好き。つきあってください」

この3種類の告白を受けた場合、その後の付き合いがどうなるかについて回答してもらいました。

【回答】
1点=つきあいをやめる
2点=今までより疎遠になる
3点=いままでと変わらない
4点=今までより親密になる
5点=恋人関係的なつきあいになる

この5段階で評価してもらいました。その結果、告白後の関係がもっとも進展しそうなのは、単純型でした。次に理屈型がきて、もっとも効果がないのが懇願型でした。もちろん、②両思い条件(自分が告白され、相手のことが好きだった場合)のほうが、①片思い条件(自分が告白され、相手のことが好きではない場合)よりも効果はおおきかったです。しかし、単純型がもっとも効果的であるということは変わりませんでした。

単純型懇願型理屈型
片思い3.542.763.21
両思い3.993.133.62

1点=つきあいをやめる
2点=今までより疎遠になる
3点=いままでと変わらない
4点=今までより親密になる
5点=恋人関係的なつきあいになる

「気持ち」+「してほしい行動」が最強の告白方法

この研究と2004年の北星学園大学で行われた研究1)、2014年に法政大学で行われた研究2)のデータから、「好きです!」という好意の表明だけの成功確率は高くないことがわかります。「好きです!」だけではどのように回答すればいいか難しいためです。

一方、「好きです」に加えて「付き合ってほしい」「デートしてほしい」という言い方だと成功確率が上がります。
「はい」「いいえ」「考えさせて」など、の回答をしやすいので、成功する確率も上がると考えられます。

北星学園大学(2004)好きですつきあってください好きです+つきあってください遠回しその他
成功郡28.8%15.3%42.3%13.5%0%
失敗郡37.0%8.6%32.1%14.8%7.4%

 

法政大学(2014)好きですつきあってください好きです+つきあってください遠回しその他
成功郡23.1%28.2%43.6%5.1%
失敗郡51.6%12.9%22.6%12.9%

 

出会ってからの期間で告白の成功確率が変わる!→3ヶ月以内に告白で成功確率上昇

「出会ってからどれくらいの期間での告白の成功確率が上がるのか」2004年の広島大学の研究で行われています。結果は以下のようになっています。

【告白までの期間】

~3ヶ月4~6ヶ月7~12ヶ月13ヶ月~
成功郡41.24%9.28%14.43%35.05%
失敗郡18.84%13.04%17.39%50.72%

知り合って、13ヶ月以上になると、失敗の確率が大きくなっています1)
このデータから、告白は3ヶ月以内にするのが良いと言うことがわかります。この理由としては、一度、友達のカテゴリーに分類されたあとに、そのカテゴリーから抜け出すことが難しいということが考えられます。
人間は、心理学的にも安定を求める生き物です。したがって、友人や知人の関係を築いたあとに、その関係をっ崩したくないという心理が働くと考えられます。
交際したいなら、デートに積極的に誘って、どんどんアタックするのが、最適解のようです。こんなこと言ってはいますが、僕はそんなこと無理です。

どうやって別れるのか、別れは阻止できるのか

愛が冷めていくという現実

この本では、別れる段階のことまで、科学的な根拠をもとに書かれています。恋愛関係には、相手のことを現実以上に理想化するバイアスがかかるということは、恋愛をして誰かと付き合ったことがある人なら誰しもわかると思います4)

恋愛初期の段階の感情成分が失われ始め、相手の欠点が見え始めるようになってしまいます。このとき、僕たちが最初にすることは、自分の認知を意図的に変えて、関係を維持しようとすることです。
次にやってくるのは、相手の欠点を相手になんとかしてもらおうという時期です。そして、この時期になると、相手との関係で自分がときどきイライラさせられていることに気づきます。相手も同じフェイズにいると「おまえ(あなた)だって~だろ(でしょ)!なんとかしろ(して)」という反論がうまれます。
この時期を乗り切れなかった場合、カップルはいままでは、とくになんとも思っていなかったことや、チャーミングに思えていたことが欠点に思えてきてしまいます。この段階になってしまうと、二人の関係は別れに向かって加速していくことになってしまいます。

「別れるきっかけ」が存在することについての研究

二人の関係がもう修復できないという段階になったとき、別れの段階に入っていきます。この別れるタイミングについての研究があります。

日本で1988年に行われた研究によると、もっとも別れるカップルが多いのは年度末の3月だということがわかっています5)日本では3月が、学校の卒業や進級のタイミングです。社会生活では、就職や転職、転勤のタイミングと重なっています。この節目が別れを生じさせる原因の1つなのです。

アメリカ人のカップルの別れは、6月にピークを迎えることがわかっています。アメリカでは6月が卒業シーズンに当たります6)。したがって、人生の節目にカップルが別れるという考えは正しいことがわかります。

別れそのものは、お互いにストレスがかかってしまいます。お互いに物理的に離れるとなればば、その後のトラブルやストーカーのリスクなどが小さくなります。この「絶好の機会」に別れるカップルが多いと考えられます。

別れ話を切り出されたあとに関係を維持することは可能か? 【大学生93.5%破局です】

実際に別れ話をした事がある大学生62人のデータを分析した実験があります。その結果、69.4%が即、別れが成立し、19.4%がそれ以降の話し合いで別れが成立し、4.8%がいったん関係が修復したが3ヶ月以内に別れたということが示されています。関係が修復したカップルは6.5%のみでした。つまり、大学生のカップルにおいて、別れ話が出ると、93.5%はすぐに別れているのです。

また、2014年には別れを切り出されたことがある大学生57人に対して、別れをどうしたら食い止めることができるのかの研究がされています8)。この研究では、「説得・話し合い方略」「関係維持懇願」「譲歩需要方略」「恋人高揚方略」「恋人非難方略」「遷延方略」といろいろな方略について研究されました。大学生のカップルは別れ話がでると90%以上が別れてしまうということからもわかるように、どの方略もそこまで効果は高くありませんでした。

しかし、「懇願すること」はわずかながら関係維持に効果があることがわかりました8)「懇願すること」が一番効果的であることは知っておいて損をするということはないでしょう。

データを見ると別れ話をされたらだまって諦めることが一番いい気がしてしまいますね(泣)

まとめ 【恋愛も科学で成功確率を上げることができる】

恋愛は感情だからものさしで測れないと思っているひともいるかも知れませんが、しっかりとデータがあります。もちろん、データのとおりに実行したら100%成功するという保証はありませんが、成功の確率を上げることは可能です。もし、恋愛関係でいま悩みがある人は、この本を読んで恋愛の成功確率をあげてみてはどうでしょうか?

僕は医学生ですが医学生はしょせん学生でお金もないので残念ながらモテません。せっかく読んだので、機会さえあればいつか実践したいなと思っています笑。

恋愛が成功するようお互いにがんばりましょう!

【参考文献】
[1] 栗林 克匡(2004).恋愛における告白の成否の規定因に関する研究. 北星学園大学社会福祉学部北星論集,41,75-83[2] 樋口 匡貴・磯部 真弓・戸塚 唯氏・深田 博己(2001)恋愛関係の進展に及ぼす告白の言語的方策の効果. 広島大学心理学研究 (1), 53-68[3]渡邊蕗子(2014).恋愛における告白の成功規定因と成功可能性予測の検討.法政大学文学部心理学科2013年度卒業論文[4] Miller, R. S. (1997). Inattentive and contented: Relationship commitment and attention to alternatives. Journal of Personality and Social Psychology, 73, 758-766.[5] 大坊郁夫(1988)異性間の関係崩壊についての認知的研究日本社会心理学会第29回大会発表論文集, 64-65[6] Hill, C. T., Rubin, Z., & Peplau, L. A. Breakups before marriage: The end of 103 affairs. Journal of Social Issues, 1976, 32, 147–168[7] 牧野 幸志(2013)関係崩壊における対処方略とその効果(1)親密な人間関係の崩壊時における対処方略の探索. 経営情報研究:摂南大学経営学部論集,21(1),19-33[8] 牧野 幸志(2013)関係崩壊における対処方略とその効果(2)親密な人間関係の崩壊時における対処方略の探索. 経営情報研究:摂南大学経営学部論集,21(2),33-50

スポンサーリンク
ザッキー📙医学生のブログ