【書評・要約】週40時間の自由をつくる超時間術|1年間実践してみた

なんだか、毎日、時間が足りないですよね?

「時間がないからやりたいことができない」「勉強、レポート以外をする自由な時間がない」などと感じて、なかなか本当にやりたいことができない経験をしたことがある人が多いと思います。

僕も、医学生として、毎日、勉強、レポート、バイト、部活と時間に追われていました。そこで、このメンタリストDaiGoさんの『週40時間の自由をつくる超時間術』を読んで実践してみました。実際に実践してみて、この考え方は使えるなと思った知識や思考法を紹介します。

自由に使える時間を増やす方法はないかな?

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物理的な時間がないはウソ

日本人の労働時間は減り続けているという事実を知っているでしょうか?

OECD(経済協力開発機構)が発表している「労働時間の推移」に関するデータをみると、1970年代の日本人は平均で年に2200時間ほど働いていたと報告されています。

しかし、2016年の時点では1713時間まで下がっています。この時間はアメリカの1783時間、ロシアの1974時間、ギリシャの2035時間よりも少ない時間です。

もちろん、一部では月100時間以上の残業がある会社もあるでしょう。しかし、大きく見ると現代人の時間がなくなっているわけではないのです。つまり、「物理的に時間がない」ということは勘違いである、とこの本では指摘されています。

一方で、総務省の「社会生活基本調査」にもとづく一橋大学の研究によると、1976年には多くの人が104~111時間の余暇を持っていましたが、2006年にはおよそ105時間まで低下。毎日の楽しみに使うための時間は、いまも減り続けていることが分かっています。

また、社会学者のジョン・ロビンソンの研究によると、次のことが分かっています。

・多くのアメリカ人は、「自分は週に60~64時間は働いているはずだ」と答えた
・実際に計測した1週間の労働時間は、平均44.2時間だった

ロビンソン博士は、他の国でも実験を行った結果、こう言っています。

アメリカだけではなく、世界中の人が実際に仕事に使っている時間の合計は過去40年間で全く増えていないどころか少なくなっている。しかし、『あなたたちは、実は毎週30~40時間の自由な時間を余らせているんですよ』と言っても、決して信じてはくれないだろう」

現代人の時間不足は勘違いだというわけです。

たしかに、緊急に入ってきた用事をこなせた経験はだれにでもあると思います。

・急にトイレが壊れて水があふれた

・熱を出して、作業ができなくて、病院にも行かなければ行けなかった

・気になっていた子からいきなり食事に誘われた

どんなに忙しくてもこれらの緊急の用事をこなすくらいには、やはり、時間は余っているみたいです。

では、時間がないという感覚を無くす、具体的な方法をみていきましょう。

「忙しい」という言葉を完全に止める

「忙しい」という言葉を使うと時間が無意味に浪費してしまうことがポーランドのワルシャワ大学の研究で分かっています。この研究によると、「忙しい」と口に出すたびに、意識は未来や過去に向かい、そのせいで目の前の本当にやるべきことに集中できなくなるとのことです。

この実験では「忙しい」の代わりに「活動的だ」や「活発的だ」などの言葉を使うように提案しています。学生を対象にしたある実験でも、「忙しい」を使うのを止めた被験者は、3ヶ月後の成績が大きくアップしたそうです。

ゴールコンフリクトを正して生産性を上げる

運動をしたいけれど仕事がある、貯金をしたいけれど欲しい物がある、勉強をしたいけれど眠りたい…。これらのいくつもの目標や欲望がぶつかり合ってしまうケースが「時間不足」の感覚を生み出す最大の原因だと考えられています。専門的には「ゴールコンフリクト」と呼びます。

この「ゴールコンフリクト」が大きな人ほど自制心が効かなくなってしまう、という問題も実験によって確認されています。目標のぶつかりあいで時間感覚がおかしくなり、目の前の欲望に弱くなってしまうようです。

この「ゴールコンフリクト」への対策として「セルフ・ディスタンシング」というものがあります。これは、自分の悩みを他人事のように見る思考法です。

たとえば、あなたが「仕事で成功したいけど子育てが大変で無理だ」といったコンフリクトを持っていたとしましょう。そんなときは、自分にとって最高の友人が同じコンフリクトに悩んでいる姿を想像しながら、頭の中で彼にアドバイスしてみるのです。

多くの実験で「セルフ・ディスタンシング」を使ったほうが、より正確で冷静な解答にちかづくことができることが分かっています。他人へのアドバイスは的確なのに、自分のことになるとつい間違った判断をしてしまうということは誰にでもあると思います。この間違った思考を打ち消してくれるのです。

親切をして逆に時間を生み出す

他人のために親切をしたら、物理的には時間を消費してしまいます。

しかし、他人のために時間を割いたほうが、自分の時間を有効に使えるようになることが心理学的に分かっています。

イェール大学の研究では、被験者に2種類の支持を出しました。

1:自分がやりたいことをやる
2:他人のためになることをやる

作業をやってもらったあと、被験者の時間感覚を調べたところ、他人のために時間を使った人は、最大で2倍も時間の感覚が伸びたのです。さらに、その後で被験者の仕事ぶりを確かめてみると、他人に親切にした人ほど生産性がアップしたこともわかっています。

この現症を心理学では「自己効力感」といいます。「自分は何か大事なことをなしとげられる」という感覚です。

時間のプレッシャーから解放されるうえに、仕事のスピードまで上がるのですから、「親切」は最強のタイムマネジメントの1つ言えると思います。

このことを知ってから、マンションの共用部分に落ちているゴミを拾ったり、自転車を倒して困っている人を手伝ったり、講義資料をスキャンしたデータを友人にあげたり、と小さい親切をするように心がけています。

スモールゴールを作る

「スモールゴール」つまり小さな目標を設定したほうが、大きなゴールを設定するより、結果が出ることが分かっています。

南カリフォルニア大学の実験では1000人以上の被験者を対象に「未来の貯金」について考えるように支持を出しました。そして、被験者を2つのグループに分けました。

1:老後の費用を30年かけて貯めると想像する
2:老後の費用を10950日かけてためると想像する

このイメージトレーニングをしばらく行った後、みんなの貯金額を調べました。
1日単位で想像をしたグループは、1年単位で考えたグループよりも4倍も貯金額が増えていました。

「30年後をイメージしろ」と言われてもピンときませんが、1日単位で考えると、現実味が出るため、自分の中に余裕のある時間感覚が育つのです。その結果、不安とストレスが消え、結果としてモチベーションもアップするのです。

「1年後にこの英単語帳をすべて覚え終える。」と考えて、英単語帳をやるより「今日は2ページだけ覚える。」と考えて英単語帳をやったほうが、取り組みやすいですよね。英単語帳は730ページもないので、1日2ページ覚えれば確実に1年後には覚えきれています。

僕も、このスモールゴールを取り入れて、国家試験の勉強を今日は50問だけ解くなどと基準を設けています。2年後に8000問を完璧に理解する、という漠然な目標よりも、取り組みやすく、不安やストレスを軽減できています。

まとめ|時間はある【使い方が大切】

時間がないという感覚をいつももっていると、目の前の楽しいことにすら楽しむことができません。

僕自身、友達と遊んでいるときや、旅行中ですら、2~3週間後の試験のことが頭の片隅にあって、100%楽しむことができないという経験を何度もしてきました。

しかし、時間が足りないというのは、勘違いであることを『週40時間の自由をつくる超時間術』を読んでしりました。それからは、目の前のことに集中することや、生産性を上げることを中心に考えて行動するようにしました。そして、目の前の楽しいことを全力で楽しめるようになりました。

昔みたいに連絡は電話のみ、調べ物は図書館に行く、買い物は必ず外でする、という必要が現代はなくなりました。どう考えても、余暇に使うことができる時間は昔の人より増えているのです。

ここで紹介したテクニックを使って、自由に使える時間を増やしてみてください。

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