ジェンダーについてちゃんと教育を受けたことってほとんどないですよね?
僕も、もともと、ジェンダーについて学ぶ機会も、興味もほとんどありませんでした。しかし、周りでジェンダーについての取り組みをしている人がいたので、興味をもちました。
ジェンダーについて学び始めたばかりの大学生が、『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた―あなたがあなたらしくいられるための29問』を読んでみて、勉強になったこと、感じたことを紹介します。
ジェンダーについて、勉強したことなかったな
知識をつけることができてよかったこと
「ホモ」、「レズ」という呼び方はダメ
「ホモ」「レズ」「オカマ」という呼び方には、異性愛者が侮辱的な意味あいで用いてきたものということを始めて知りました。
「ホモ」ではなく「ゲイ」、「レズ」ではなく「レズビアン」という呼び方が正しく、同性愛者を傷つけないのです。
調査した団体 | LGBTの割合 | データの年 |
電動ダイバーシティ・ラボ | 5.2%→7.6%→8.9% | 2012→2015→2018 |
株式会社LGBT総合研究所 | 8.0%→10.0% | 2016→2019 |
日本労働組合総連合会 | 8.0% | 2016 |
名古屋市総務局総合調整部男女平等参画推進室 | 1.6% | 2018 |
このデータを見ると、周りの10人に1人が同性愛者の場合もありうることが分かります。
呼び方ひとつで嫌な思いしなくてすむ人がいるんだなと思いました。「ゲイ」「レズビアン」という言葉が正しいという知識を得ることができてほんとに良かったです。
ゲイ、女装家、トランスジェンダーの違い
ゲイ、女装家、トランスジェンダーはそれぞれ意味が異なります。
ゲイとは自分の性が男性と認識しており、性的な欲求の向かう対象が男性のことです。
女装家は、自分の性を女性と認識していないけど、装いやふるまい方が女性的であることです。
トランスジェンダーは、生まれたときにわりあてられた体の性とは異なる性を生きている人々のことです。
1度読んだだけでは、頭が混乱してしまいました笑。読み返して、理解していろいろな性のあり方があるんだなと勉強になりました。
偏っていたり、矛盾が生じている意見
女性専用車両について
女性専用車両の存在によって、女性へ怒りの矛先を向けている人がいるのをなくすべき。怒りを女性や女性専用車両に向けるのではなく、痴漢撲滅に向けるべき。これらの意見には同意できます。しかし、同意できない部分もありました。
痴漢被害を論じているときに冤罪の話をもちだしてこちらの方が重要な問題だというのは、位相の異なる議論にもちこんで論点をすりかえることではないでしょうか。
僕は、位相の異なる問題だとは思えませんでした。
これらは、関係があり、重要な問題であり、同時に考えて解決に向かうのが良いと思いました。この書き方だと冤罪を軽んじているようで、違和感を感じました。
化粧はしたいひとがすればいい
column4では、女性の化粧について書かれています。
女性のノーメイク出勤の賛否がしばしば話題になるように、女性にとって化粧は「マナー」や「礼儀」と考えられることがあります。そのため、化粧をしたくないと思っている女性も化粧をせざるをえなくなってしまいます。このように強制されたとき、化粧は抑圧となりうるのです。
(中略)
ジェンダーについて考えるとき、「女性は〇〇をしなくてはならない/してはならない」と強制されるのではなく、したい人はして、したくない人はしなくてもいいと選択できる社会が理想だと思います。
化粧をしたい人はして、したくない人はしない、という考えには賛成です。
しかし、このしたい人はして、したくない人はしないという考え方は他にも応用できると思います。
この本では、ミスコンやCMを批判しています。ミスコンもしたい人がすればいいし、CMも見たい人が見ればいいという考えにも結び付けられます。
テレビをみるのも自由ですし、ミスコンにでる、でない、それらについて意識する、意識しないも自由という解釈ができてもおかしくないと思います。
本全体を通して、一部、一貫性がなく、矛盾を感じました。
一番共感できた内容【ジェンダーを勉強するとつらくなる?】
僕は、ジェンダーの本を読んでいて、かなり気分が暗くなって、胸が苦しくなりました。なぜなら、社会に批判ばかりしているからです。
この本の最後のcolumnではジェンダーについて学ぶとつらくなることが書かれていました。
ほんとにつらくなっていたのでかなり共感できました。
でも、学び方も大切だと思いました。この本の書き方だと批判が多いので、読んだひとの気持ちを暗くさせるでしょう。
同時期に読んだ『カミングアウト・レターズ』という本はつらいというより感動でした。僕は感動して本を読みながら泣きました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
『カミングアウト・レターズ』は手に入る知識は少ないですが最初に読むのはこっちがおすすめです。
まとめ|周りの人を大切にすることが一番大切
僕は、周りの大切な人が幸せなことが一番大切だと考えています。家族、友人、パートナーなどです。
大切な人たちが幸せなこと以上に幸せなことはないと思っています。したがって、周りの大切な人がジェンダーの問題で苦しんでいるときは全力でサポートしたいし、力になりたいと考えています。
しかし、社会全体に対してなにかをしたいとかいう考えはいまのところありません。批判するのも嫌いですし、人生が豊かになると思えないからです。
テレビ、ニュース、SNSで有名人の問題発言や、不倫、事故などに対して批判する。その記事を読む、SNSで拡散する、意見をいう。僕はこれらは人生でむだな時間だと感じています。
そのため、毎日、科学と医療のニュースを1日5分チェックする、SNSはビジネスの最新情報をしいれるだけ、LINEやメールは1日3回だけチェックするとしています。僕にとって、スマホはおもにkindle unlimitedで本を読むためのものです。
僕は、能力が高くなく、メンタルも弱いです。社会を変える能力なんて持っていません。
でも、自分にとって大切な人が困っているときは、一緒に悩みたいです。そのための知識をつけれたという意味でこの本を読んで良かったと思います。
この本は、表現が攻撃的な部分もあり、批判や強い意見も多いです。しかし、ジェンダーについての知識はわかりやすく書かれています。強い意見が書かれていても大丈夫、勉強を早く始めたいという人には向いていると思います。
強い意見が苦手な人には、『カミングアウト・レターズ』をおすすめします。
つらくはありましたが、ふだん考えることがないテーマについて、考え、視点を広げることができました。