自粛期間は、いつもより外に出る機会がへり、太りぎみになってしまう日人が多いのではないでしょうか?
僕は自粛期間でも、「パレオダイエットの教科書」を参考にして生活しています。それによって、体脂肪率を10%に保つことができています。しかし、この本に書いてあることをすべて実践することは、ほぼ無理なので、ぼくみたいな一般人でもやりやすいように工夫をして実践しています。簡単に実践できる方法を解説していきます。
運動もしてないのに食べ過ぎちゃってる、どうしよう
パレオダイエットとは?
パレオダイエットとは、直訳すると「旧石器時代の食事法」です。
現代でもっとも旧石器時代の暮らしのライフスタイルに近いと考えられているのは「狩猟採集民」です。1990年代から行われている調査によると、狩猟採集民はとても健康的であることがわかりました。
・がんや糖尿病、心疾患、痛風などの現代病はほとんどない
・コレステロールや中性脂肪、血圧などの数値もパーフェクト
・日中の疲れはその日眠れば回復する
・ニキビや乾燥肌、脂肌などの肌トラブルもない
・虫歯や歯周病といった口まわりの悩みもゼロ
・鬱病や不安症といったメンタルの問題もない
狩猟採集民のいいところを現代のライフスタイルに取り入れて「食う・寝る・動く」を改善して、健康になるのがパレオダイエットのコンセプトです。
2015年にピッツバーグ大学が行った研究があります。この研究では、南アフリカで昔ながらの生活をしている20名の男女を集めて、アメリカ人の平均的な食事をしてもらいました。
すると、2週間後に大きな変化がおきました。どの参加者も実験前は健康だったのに、ピザやバーガーを食べ始めてからは急激に前進の老化が進行。血液検査では大腸がんの発症リスクも上がっていました2)。
1984年のメルボルン大学の研究によると、昔ながらの食事をした参加者は、7週間で8kgのダイエットに成功。中性脂肪やコレステロールの数字も大幅に改善したのです1)。
研究からもパレオダイエットがかなり効果ありそうなことがわかりますよね。では、具体的な方法を見ていきましょう。
科学的に太らない生活
食う
プチ断食
1日のうち8時間だけ好きなだけ食べて、残りの16時間は、水、お茶、ブッラクコーヒー意外を口にしないのが僕が実践していて、この本の著者である鈴木祐さんも実践しているプチ断食です。
狩猟採集民族は、起きてから、空腹のまま狩りにでかけ、昼過ぎに最初の食事をはじめ、20時まで好きな量を食べたら、また翌日まで断食をします。これを参考に1日の空腹時間を増やし、食べる時間を短くしているのです。
2015年にユタ大学が行ったメタ分析によると、プチ断食は普通のカロリー制限よりも食欲をへらす効果が高いことがわかっています。そして、週2回実践するだけでも、食欲のコントロールが簡単になるようです3)。
そして、2016年に日本人科学者の大隅良典博士が「オートファジー」の研究でノーベル賞を受賞しています。プチ断食によって、このオートファジー、つまり身体の細胞にたまったゴミを取り除くシステムが活性化することがわかっています。実際に、短時間だけカロリーを減らすことで逆に元気がでてきたり、肌がすべすべになったという報告があります4)。
この8時間しか食事をしないというダイエット方法は1食抜けばいいだけなので比較的かんたんにできます。2015年にインドネシア大学が行った研究によると、このプチ断食をしたひとは、1ヶ月で500g体脂肪がおちたそうです5)。1日ごとに断食する日替わり断食などにくらべて簡単にできるので是非取り入れてみてください。
寝る
2004年に行われた研究によると、睡眠不足には食欲を暴走させる作用があり、肥満の原因になることもわかっています7)。では、睡眠の質をよくして、食欲をコントロールするにはどうすれば良いのでしょうか?睡眠の質を左右するものには、以下のものがあるようです。
・日中の運動量
簡単にできる具体的な対策を見ていきましょう。
光のコントロール
ブルーライトに夜にあたることで、人の脳は夜でも朝だと思い込み、睡眠に必要なホルモンであるメラトニンを分泌しなくなってしまうことがわかっています6)。
この対策として、iPhoneでは「Night Shift」を選択してブルーライトの量を減らす。Androidでは。「ブルーライト軽減フィルター」というアプリを起動するという対策を取ることができます。
PCを夜まで見るという人は、PCにもともとある夜間モードにしておくといいと思います。
僕は、スマホも、パソコンも1日、夜間モードにしています。
日中の運動量
2011年にミシシッピ大学が行った研究によると、睡眠と運動の関係について以下のことがわかりました8)。
・日中の疲労感や眠気も65%減る
・日中の集中力は45%上がる
・運動のレベルはウォーキングや軽いジョギングでもOK
軽いウォーキングでも快眠体質になれるようですね。
週に150分のウォーキングをするためには、1日20分ほどのウォーキングで良いということになるので少しの工夫で達成できそうですよね。具体的には、いつもよりすこし遠くにあるコンビニに行く。人混みを避けて早朝に公園を散歩するなどです。
僕は、自粛期間、毎朝散歩しています。気持ちいですし、その後の勉強や作業も捗るのでおすすめです。
動く
ダイエットに運動が効果的なことは誰でもわかりますよね。でも、できないから困るんですよねw
この本では、いままで運動不足だった人でも実践できる方法が紹介されています。それが「NEAT」(ニート)という考え方です。これは、「非運動性活動熱産生(Non-Exercise-Activity Thermogenesis)」の略で、日常生活で消費されるカロリーの合計を意味しています。つまり、掃除や洗濯、買い物、貧乏ゆすりなど、普段の日常生活で消費するカロリーだけを合わせた数字になります。
このNEATを増やすだけでも、週3回のジム通いとお同じ運動量になるきことが2015年のマドリード工科大学の研究でわかっています9)。
1つのグループにはエレベーターの代わりに階段を使うなど、まめに体を動かすことを意識してもらいました。もう一つのグループには、週3回筋トレと有酸素運動を1時間ずつ行ってもらいました。
22週感後、どちらのグループも9~10kgのダイエットに成功し、筋肉も同じように発達していたのです。
このことから、週3回の筋トレのダイエット効果はNEATを増やした場合と変わらなかったのです。
この本ですすめられていることとしては、1日8000歩のウォーキングがあります。家にいるとデスクワークが中心になりがちですが、30~60分おきに立ち上がって、足踏みだけでもすると良いと思います。研究結果からも、この少しの意識の変化だけでも効果があることがわかります。
また、スタンディングデスクもオススメされています。スタンディングデスクを使うことにより、脳の実行機能とワーキングメモリが改善される10)。作業の達成度が12%上昇すること、が研究によってわかっています11)。
スタンディングデスクは値段が高いので、僕はニトリの小さい机をもともと使っていた机の上において1日10~12時間、勉強したり、作業したりしています。実家では、ダンボールを机の上においてスタンディングデスクとして使っています。スタンディングデスクにすると、NEATは必然的にあがり、作業中に眠くなることが絶対にないのでおすすめです。
まとめ
自粛期間は外に出る機会も減ってしまい、運動量できない、ストレス溜まる、食べ過ぎる、という悪循環におちいる人も多いと思います。悪循環を断ち切るためにも、今回紹介したなかでも自分が簡単にできそうなものから取り組んでみてください。
自粛期間と押し付けられている感じで、いやになっちゃうこともありますが、適度な運動をして乗り切りましょう!
【参考文献】
[1] Kerin O’dea“Marked Improvement in Carbohydrate and Lipid Metabolism in Diabetic Australian Aborigines After Temporary Reversion to Traditional Lifestyle”(1984)[2] Stephen J. D. O’Keefe,“Fat, fibre and cancer risk in African Americans and rural Africans”(2015)[3] Horne, Benjamin D., Joseph Brent Muhlestein and Jeffrey L Anderson. “Health effects of intermittent fasting: hormesis or harm? A systematic review.” The American journal of clinical nutrition 102 2 (2015): 464-70 .[4] Chia-Wei Cheng, et al. “Prolonged Fasting Reduces IGF-1/PKAto Promote Hematopoietic-Stem-CellBased Regeneration and Reverse Immunosuppression”(2015)[5] Ari Fahrial Syam, et al. “Ramadan Fasting Decreases Body Fat but Not Protein Mass”(2015)[6] Figueiro MG, Steverson B, Heerwagen J, et al. The impact of daytime light exposures on sleep and mood in office workers. Sleep Health. 2017;3(3):204‐215. doi:10.1016/j.sleh.2017.03.005[7] Hasler G, Buysse DJ, Klaghofer R, et al. The association between short sleep duration and obesity in young adults: a 13-year prospective study. Sleep. 2004;27(4):661‐666. doi:10.1093/sleep/27.4.661[8] Shelley S. Tworoger et al., “Effects of a Yearlong Moderate-Intensity Exercise and a Stretching Intervention on Sleep Quality in Postmenopausal Women,” Sleep 26, no. 7 (November 2003): 830–36.[9] Benito PJ, et al. “Change in weight and body composition in obese subjects following a hypocaloric diet plus different training programs orphysicalactivity recommendations.”(2016)[10] Ranjana K. Mehta, et al.“Standing Up for Learning: A Pilot Investigation on the Neurocognitive Benefits of Stand-Biased School Desks”(2015) 14.[11] Mark E. Benden, et al. “The Evaluation of the Impact of a Stand-Biased Desk on Energy Expenditure and Physical Activity for Elementary SchoolStudents”(2014)[12]鈴木 祐(2019)『新装版 一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』扶桑社